帰国子女の学習事情 文法

海外暮らしで必要になることばの学習  うまく興味を促して続けるためには?

子供とことば

子供は文法が好きじゃない!

何度か子供と学んで実感したことです。
それはそのとおり。文法大好き!な人は知る限りそれほど多くはなさそうです。
それでも母国語をしっかり操る年齢であれば文法的な考え方もわかっていた方がいいという考えが日本では一般的。
言語の違いもありますが海外とは内容や重点の置き方が異なる印象です。

以前、小さな子供に「文」について伝えようとして困ったことがあります。

文法的に文の構成を説明すると、肯定文を例にとって疑問文・否定文を展開するのが通常です。子供になら「ふつうの文はこういう形。質問するときには... ...」ですが、どんなに柔らかい口調でも始めたとたんに子供の表情が消えるのが常。これでは頑張れる時間も激減です。

何度か試して出した結論は。
文法用語は使わず 説明はしない。
会話の中の表現として示すこと。

うまく行ったのは「質問」でした。
子供は質問するのが大好きです。
質問文を例にとり、答え方として肯定・否定の文を見ていくと会話と重ねやすく負担がありません。
新しいことばでもその辺から攻めるとすんなり入ってくれます。

いかに文法感を出さずにできるかは腕の見せどころ。例文に好きなことや食べ物を入れると小さな子供も自分のことばとして更に認識しやすいようです。

文中のどこかが変わると意味が変わる。小さな発見をしながら進めると気持ちが入り集中の仕方が変わってきます。
子供に負担が少ないことは大人にとっても取り組みやすいもの。興味がでると知りたくなるのは子供も大人も同じです。
ぜひお試しいただきたい方法です。

帰国子女の文法事情

文法といえば、どの国でも小学校半ばになると国語の授業で名詞・動詞・形容詞などの簡単な文法は学習するようです。
でも日本の入り方は違うんですね。
少なくとも当時、日本の小学校では主語・述語という文の構造が主で、品詞を習うのは中学になってからだったとか。

この場合、小学校の途中で日本を離れた子供は転入先の現地校で初めて品詞用語に触れることになります。
自分だけ知らないことに気づくのは学校に慣れてだいぶたった頃。
まわりも名詞・動詞・形容詞くらいは知ってて当然という感覚があり、ある日いきなり "形容詞って何のこと?"と言って慌てる姿に親も驚きます。盲点でした。

小学校で日本を離れた子供は、中学か高校で帰国すると日本の学校に戻ります。
英語では、前から日本での文法用語に戸惑う話を耳にしていましたがこれは現在もあまり変わらない模様。
また、古文や漢文でも馴染みのない文法用語を一度に学ぶのもこの時期。
帰国子女さんは皆頑張ってます!

海外で改めて英語を学習し、文法が表現の延長にあることを実感していろいろ納得したことを思い出します。
日本の英語も文法は英語で統一したら意外と混乱が減るのかもしれません。

これから学習を始める子供達のためにもう少し会話が身近に感じられる英語になるといいなと思っています。

T-65B 形容詞



参照; 会話のはじめ 質問文
 
           

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