めざせ3歳児!

やっと慣れたローマでの2年からパリへ 今度はゼロからのフランス語です

喉元過ぎれば熱さ忘れる

当時の我が家は移動の2ヶ月前に次女が誕生したばかり。何とか引越しをこなしました。必然的に長女は日本人小学校に転入し、新しい生活の始まりです。

〝フランス語は全くわからないけどことばを学ぶ苦労はわかる。イタリア語に近い言語だしきっと何とかなるだろう!〟
希望的観測は瞬間で砕け散りました。

イタリア語とフランス語は、日本語と中国語の感覚に近いものかもしれません。書いてあるものを見ると一部は理解できるものの、聞く・話すは全く別。
ローマ字読みで発音がはっきりしていたイタリア語に比べるとフランス語は日本語にない発声・発音が多いため、より高い敷居を感じました。

まさに″喉元過ぎれば...″の状態です。
新生児を連れていながら自分が赤ん坊になるような状態は本当に嫌なものです。
すぐにフランス語を勉強しなければ!
学校通いはしばらく無理。赤ちゃんOKの先生を探し、週1回家に来てもらって授業を受けることになりました。

〝フランス語版の手帳も作ろう。前回は子供用だったけど今回は自分用。単語数が多くても字が細かくても大丈夫。〟
前回よりも学習が進むと信じ気合いを入れて取り組みました。
ところが、調べても書いても進んだ気がしません。なぜか途中で大きく減速し、ノートは未完に終わります。
当地には日本のような罫線の手帳がなく方眼のものを使ったからでしょうか。
軌道の修正が必要でした。
理由を考えわかったことがあります。

目指せ3歳児!

一番の理由は盛り込みすぎです。
ページ毎の単語数を増やすと書き込む量が増えます。いくら書いても終わらないのはかなりストレスでした。
細かい字だと見たいところは探しにくくなり覚える量は当然増加。
ゼロからの学習には無理が多すぎます。

目標もそうです。
大人並みを目標にすると数ヶ月では結果が出ず成功か挫折かの2択になりがち。赤ん坊同然状態から大人のことばは遠すぎました。小学生にも歯が立たず幼稚園生でもまだまだ遠い存在に感じます。
3歳の子供ならどうでしょう。
簡単な会話を理解しことばは足りなくても気持ちを伝えることができる3歳児。
それでも力量は相当ですが状況を考えると一番身近です。
目標をここに設定してようやく気持ちが切り替わりました。

難しいことばは後からでも学べますが、3歳児のことばを使わずに話せるようになった人はいないはず。世界規模の会話の基本と言えそうです
いろいろ腑に落ちるところがあり、改めてことばの学び方について考えることになりました。

学習の期間

自分の語学体験を考えた時、数ヶ月で力が抜ける感覚も気になりました。
1ヶ月でひと息ついて3ヵ月間は懸命に進めても、6ヵ月もすると明らかに身が入らなくなり諦める気持ちが出てきます。
3ヵ月程の進み具合いがその後に大きく影響すると感じました。

ハードルを下げ期間を区切ると余分な力が抜けます。小さな達成感を得ながら進むことは、学習を続けるためにとても大切なことでした。
ことばの学習は本来楽しいもののはず。
学習を続けるためにも無理は禁物です。

2年という短い間に起こった2度の強烈な体験で得た大きな教訓です。
フランスの頃の手帳